歴史に定説なし。気になる古典・古事・古人・古文を総まとめ。


狂歌酒百首(きょうか さけ ひゃくしゅ)。狂歌酔吟稿百首(きょうか すいぎんこう ひゃくしゅ)とも。

著者は暁月坊(ぎょうげつぼう)。

新群書類従の十巻(狂歌部)に収録されている。

狂歌酒百首の全首一覧

春十五首

001.けふといへば また珍しき 味酒の みは酔ながら はるは来にけり
002.いろ香をも 知る人かたき むめ酒は すきものならで たれかのむべき
003.霞たつ なにはわたりの ゐなかざけ たが梅壺に いれてのむらむ
004.三日の日の 酒にうかべる 花の名の もしたひけふは のむべかりけり
005.のむ酒の かすみのひかり あけ暮て 花にゑひぬる 名をもたつらむ
006.春ふかき かめ山とのの みやこざけ はなたてまつる 人やのむらん
007.木のもとに さけひつれたる 酒酔は 猿のはなみる 心地こそすれ
008.春はたゞ 柳のいとの なが/\と くりことしても 酒をのむかな
009.うぐひすの 巣立のさけの 一銚子 ひとく/\と 急ぎてぞのむ
010.雲雀毛の むまからざりし 酒なれど のみあかりてや 上戸なるらむ
011.おもひきや 朧月夜の ゑひごゝち すまのうらみに ならん物とは
012.春の日の ながさかもりに 成ぬれば 我には人の くれかたきかな
013.春雨に その民寺を うり酒は まいらぬ人も あらじとぞおもふ
014.水口も なをせはければ 春の田の なはしろさけを 日影にぞのむ
015.酔てのち 物もいはれぬ くちなしの やまぶきいろの さけやのむらむ

夏十首

016.春くれし きのふの酒の さめかしら けふはうつきに 成にけるかな
017.のますとも こゝをせにせん 郭公 きゝてさかやを すきのむら立
018.五月待 たち花いろを のむときは むかしの人の 酒の香ぞしる
019.年ごとに けふやあやめの くすり酒 またはさつきの いつかのむべき
020.さみだれの なをふる酒の さかて川 しちもろともに なかれてぞ行く
021.なく蝉の こはたかにこそ 酔にけれ 日ぐらしざけの 森の葉がくれ
022.これ迄も 酒をもちきて うりはたけ ゑひぬる人ぞ まろふとは見る
023.村雲を うへに置たる 夏ざけを のむやいかづち 上戸なるらむ
024.夏の身は まだゑひ乍ら さめぬるは はらのいづくに 酒やどるらん
025.さりとては けふまた質に やれ蚊帳 酒にぞわれは くらはれにける

秋十五首

026.まれにあふ はじめの秋の 七日ざけ けふ七夕に 手向てぞのむ
027.秋風の ふくらに入て のむ酒を みにしむばかり 酔にけるかな
028.盃は めぐりてゆくを きり/\す たれにさせとか 鳴あかすらん
029.盃も かたぶきながら あきの夜の なが/\しくも のむ上戸かな
030.酒にうかぶ 月影ながら のみいるゝ 上戸のはらぞ 山ばかりなる
031.十五夜の 月のかつらの おとこ酒 さかなのいもや ちぎりなるらん
032.あきの田の かり庵つくる おばなさけ ともをまねきて 誰かのむらん
033.をしねかる 田つらに残る 草の名の 秋ほこりして 酒をのむかな
034.いとまをは 秋ふたけてや 酒にゑひ しゝのすくるも しらす飲らん
035.いかにして しぼる程には 酔ぬらん つゆなしにこそ 酒はのみぬれ
036.酒もりの 下草かけて うつろふや しはゐの露の そむる成蘭
037.飲人の いのちもいとゝ なが月の こゝのかことに 匂ふ菊ざけ
038.折枝の もみぢをたきて あたゝむる さけこそかほも うつろひにけれ
039.酒のみて みなもみぢする その中に ひとりさめぬる 松もはづかし
040.欠

冬十首

041.すみあらす 上戸のやどの 板びさし さかもりがちに ふるしぐれかな
042.霜の葉に たとふるかほも 酒にゑひ さめての後は また草のいろ
043.さら/\と 霰ふる夜は 竹の葉の 名におふさゝに ゑひはじめけり
044.玉すだれ 上たるさけを 飲てこそ つれ/\もなく 雪をふかむれ
045.浦なみの よるになるまで のむ酒に ゑひてたゞよふ ちどりあしかな
046.池水の すみわたりたる こゝちする さけのなごりを をしめさかづき
047.水鳥の をしあけがたに なるまでも のみつるさけや ふすまなるらん
048.けたものゝ すみのおき火に 温めて そのかはぎぬの け酒をぞのむ
049.冬の夜は 身をあたゝめて わかし酒 さむる時なく ゑひにける哉
050.庭火たく 其ほおづきの あか/\と ゑひて酒ふく 神楽笛かな

雑五十首

051.殿もりの 朝きよめせで のむ酒の ゑひてのゝちは はくとこそきけ
052.歌よみの ゑひをすゝむる 酒にこそ そのかほつきも 赤人になれ
053.酒手をば こはれずとても 梨壺の 五人十人 せめぬ日ぞなき
054.神酒の 春日の氏子 いかなれば わうとうないに 成くだるらん
055.西の宮 ひることもなく のむ酒は あしたゝぬまで ゑひにける哉
056.打ならす あづさの真弓 つるかけて くちをよするは 酒のみの神
057.千早振 そのみこのみの 酔くるひ たゝさか神の つくかとぞみる
058.飲酒を へだてぬ中の おもひざし かたなゝきまで ゑひにける哉
059.さるがくの 前に置たる 大鼓つゝ さけもとう/\ たらりとぞのむ
060.ゑひぬれば 飲ども酒の むかひ講 ほとけと共に 目こそ舞けれ
061.おもくこそ いましむべきに 石仏 さけをばいかで うりたまふらん
062.寒き夜の 酒にゑひたる 道心は わかしさましに 成にける哉
063.濁酒 すみがたき世に ながらへて いつまでとてか 身をしぼるらん
064.いまはかく 思ひきるとも あま酒の ならんはてこそ ゆかしかりけれ
065.数ならぬ 身にさへいかで 酔ぬらん さけは人をも きらはざりけり
066.何をして 身のいたづらに 酔ぬらん さけのおもはむ 事も恥かし
067.老そひて 酒の重荷の くるしきに ながもちしたる ゑせ上戸かな
068.二日酔 けふ三日の原 あかすなを さかてにやらん 衣かせやま
069.たゞたのめ さしも心を つくし酒 冬瓜の名の あらんかぎりは
070.見るからに やがて上戸の ほし病 のみてはなをる くすり酒かな
071.下戸はなど 鬼のごとくに 酔ぬらむ たゞ一口に さけはのみけり
072.あなみにく 酒には思ひ ますかゞみ 底なるかげは さるにかも似る
073.酔てのち 太刀ぬく人は 酒のいる たいへい楽を 舞かとぞみる
074.村雲の 剣をとりし むかしより かゝる酒にぞ 人もゑひぬる
075.おそろしや 猪武者の いかばかり さかつらにこそ のみゑひにけれ
076.おちかぬる 上戸のたちへ 押寄て さかはらまきを きぬ人もなし
077.盃を はやむる酒の かすけむま はなをかへして 猶ものまはや
078.むさし鐙 さすがにかけて 飲酒は よはぬもつらし 酔もうるさし
079.笠かけを いさけのかけの はれ引目 やがて上戸に なりにける哉
080.むかはきの ほしかり上戸 酒のめば 大まだらにぞ 貌も成ぬる
081.しちにおく ひとつ小袖の あはせ酒 わたぬきするぞ うけて覚ゆる
082.幾たびか さかてのしちの 酒なかれ つまりてのちや のまれざるらん
083.我身をも うしなふほどに 酔ぬれば さけにのまるゝ 人とこそみれ
084.あかざりし 酒の中にや いりぬらむ ゑひての後は たましひもなし
085.いろをみて 心にかけて あく酒の さしたることは なけれどものめ
086.浦しまか はこひのみたる 酒なれば あけてくやしき 二日ゑひかな
087.玉すだれ こかめをいるゝ 舟人や おきにいでゝも 酒をのむらん
088.酒手のみ おふかうらふね 漕いでゝ いそへなよせそ をきのりにせよ
089.桜麻の おふとはすれど なす事の かた枝のなしの さかてなりけり
090.さかづきに 酒は残りて こゆるぎの いそぎてのむや 上戸なるらむ
091.わきすぎて 立およぎする 酒なれば ゑひぬる人の 身こそうきぬれ
092.たぐひなき 大さかずきの 酒をこそ 上戸の淵と いふべかりけれ
093.酒にゑひ うそふくほどに 成にけり これやひえとり 上戸なるらむ
094.山がらの 口をあきたる くるみさけ へうたんなりの つぼに入ばや
095.よりあひて けふも礫を うちこしの さかいんちする ゑひくるひ哉
096.かけあひて 上戸の中へ いりすまふ 大さかてにぞ おひまけにける
097.飲たらで 酒をはなをも つき瓶子 はらのほどこそ おもひやらるれ
098.時のまも 身をはなたぬは 守りつゝ さかづきまでも かけてのまばや
099.欠
100.欠

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