歴史に定説なし。気になる古典・古事・古人・古文を総まとめ。


001.さかさまに 月も睨むと みゆる哉 野寺の松の みこし入道*1へつゝ東作
002.白粉に まさりてしろき 雪女 いづれけしやうの 者とこそみれ*2 (紀定麿)
003.はれやらぬ 忘執の雲の まよひより うき世にあとを ひける人たま*3 (唐來參和)
004.首ばかり 出す女の 髪の毛に よればつめたき 象のさしぐし*4 (四方赤良)
005.目の前に 二つの姿 あらはすは 水にも月の かげのわづらひ*5 (宿屋めし盛)
006.うつくしき 顔にみだせし うしろ髪 ながきためしに ひかれてぞ行*6 (山東京傳)
007.こしぬけて たつきもしらぬ 山男 さては我名を よぶことりかと*7 (算木有正)
008.ふりむけば 廊下にたちし 切禿 ひそ/\聲の しにんすといふ*8 (今田部屋住)
009.長髪の 女の姿は 川柳 どろ/\/\に 裾や引ずる*9 (つむり光)
010.あばらやに 生てふ鬼の しこ草は その丈五丈 計なりけり*10 (馬塲金埒)
011.金平が 母とはたれも しら雪の 山また山を めぐる足から*11 (大屋裏住)
012.むかしたれ さかさ柱を たて置て きもをひつくり かへさせにけん*12 (鹿津部眞顔)
013.夜ふけては すごき縄手の 長雨も ふりむく顔の 毛女郎かな*13 (土師掻安)
014.楠も けものゝ聲の もうねんは 七つかしらの うしみつの比*14 (問屋酒船)
015.小袖から またも手の出る 虫干は りをうらみたる 質の文売*15 (高利刈主)
016.こがらしの 吹とばしたる 軒瓦 鬼もかなはぬ 天狗風かな*16 (東作)
017.せうけらは 冥途におちよ 半兵衛と 宵庚申に ゆり起すかも*17 (定麿)
018.ばけのかはの 玉藻を狐 いたゞいて 櫛笄と なすの原かも*18 (ひかる)
019.その顔は 三六さつて 猿眼 これや四そうを さとりなるらん*19 (參和)
020.内心の 如夜叉の思ひ あらはれて あやしきものゝ けめんにぼさつ*20 (赤良)
021.行燈の あぶらなめてふ 化物の はつときえたる もゝんかはらけ*21 (めしもり)
022.日月に たとふ眼の みつあれば ひとつは星の いりしなるへし*22 (京傳)
023.とをくなき またちかくなく 引汐の かたわ車も こはさよちとり*23 (東作)
024.燈明の きへかゝる夜は 玉の緒のたゆる間もなく 雨のふるてら*24 (うら住)
025.三浦屋の 格天井と 名にたかく とんだ手を出す こはいけいせい*25 (まがほ)
026.面色も 青海原に うかみしは ふなゆうれいを いひに出しか*26 (有正)
027.借銭は 化物よりも おそろしき 強催促の 壁座頭かな*27 (掻安)
028.物すごき 大魔が時を うつしみる 障子にせいの 高い夕月*28 (部屋住)
029.すさまじき 月に老女の けはひして しはすの霜の をいていけ堀*29 (東作)
030.たらちねに 先たちゆきし をさな子の 罪の重さは いだきてそしる*30 (定麿)
031.うしみつに 吹くる風の 音づれは ねいりむじなの 目やさますらん*31 (京傳)
032.姥が火に おそれて年や よりにけん はのねもあはず 腰もたゝぬは*32 (眞顔)
033.もう/\と くらき闇路を 牛鬼の よごとにかよひ くるまおそろし*33 (參和)
034.傘の あばら骨のみ 残けり あらにくすひの 夜の嵐や*34 (光)
035.浅草の いほかあらぬか 龍燈の 影もすみだの 川にぼんぼり*35 (赤良)
036.かよひくる ぼたん燈籠に たはれ男は よな/\ごとに 落るしゝあひ*36 (有正)
037.雨の夜の 案山子とみゆる 姿には 身の毛もぞつと よだつ川獺*37 (部屋住)
038.子おろしの 女房と見えて 辻門の 此世の札を へがしぬるかな*38 (うら住)
039.山々は みな落葉する その中に こたまの声は またかれもせず*39 (めし盛)
040.ゑりもとに ぞつと夜風の 雪隠は こはいと手から おとしかみ切*40 (さかふね)
041.利上げせし 質物なるか いつまでも ながれもやらぬ 帶取が池*41 (かき安)
042.おさかべは いくとせへたる かうろ峰 簾をあぐる 雪のふる城*42 (東作)
043.山鳥の おろかな人を ばかしてや ひとりぬるよの 伽にかもする*43 (金埒)
044.足にまで 物をつかめる 玃の身は わるい手くせや 今にやまざる*44 (定麿)
045.行人を しねとすゝむる 古榎 これやめいどの 一里塚かも*45 (さんわ)
046.草摺を くはへて空へ いかのぼり いと目もすごく みゆる猪熊*46 (光)
047.これもちの 色は鬼より 紅葉より あかきや酒の とがくしの山*47 (楡后
048.たほやかな 柳のうらの いつゝぎぬ ばかさるゝとも 立もどり橋*48 (東作)
049.いせ武者の 思ひか宇治の 古戦場 血烟たちて みゆるひをどし*49 (京傳)
050.ある時は 女郎ともなりて 土蜘の いとしと人を かけにける哉*50 (眞顔)
051.妖怪と これもやいはん 鬼ゆりの あだちが原に たてる姿は*51 (掻安)
052.ねこまたの 姿とみしは まよひから こちらのむねの おどるなりけり*52 (酒船)
053.湯浅とは いへども深い 海坊主 成佛してや うかみいづらん*53 (赤良)
054.ものゝけは 葵の上の わざならん 加茂の車の あらそひの後*54 (參和)
055.しやれかうべ 烏のほぢくる 跡みれば 何事をいても 南無あみだぶつ*55 (東作)
056.井戸がへを なせるばかりに いばら木も 渡辺の綱を 引たり/\*56 (定麿)
057.雨ふりて ふり出したる 一つ目の 小僧はろくろ 首のうら目歟*57 (ひかる)
058.これもちの 身では猶さら ころさるゝ 化しやうやしき歟 大門の内*58 (裏住)
059.子とみせて 石を抱する うぶ女こそ たがめをかけし おもひものなる*59 (さんわ)
060.うらめしき むねのほむらに 焼鳥は 実方すゞめ ものゝけを引*60 (京傳)
061.大あたま これはかさごの 魚なれや いづればさつと なまぐさき風*61 (めし盛)
062.逃足を 追くる火車に とられじと をのれ飛てや 股をさくらん*62 (眞顔)
063.ばけものゝ 一寸法師は 狩人が うちしはなしの たねが嶋かも*63 (かき安)
064.おぼえある 胸には釘を うたれしと 思ふきゆへか いたむふし/\*64 (酒船)
065.いつまでも かさねがうらみ きぬ川の 水にうかべる 流れ灌頂*65 (掻安)
066.すむ穴も 大廣袖の 入道か 名にはおはざる なまくさき風*66 (ひかる)
067.碁にふけし 月のよすみの ばけ小僧 どうかぞへても あはぬもくさん*67 (めしもり)
068.童さへ 今はかしこく なら坂や この手でいかぬ 顔のがごうじ*68 (東作)
069.あやしみを みする地蔵は 六道の 能化の文字を あらはせしかも*69 (定麿)
070.しん/\と 物すごき夜の ともし火も 消て枕を かへさるゝ也*70 (參和)
071.みな人の 迷ひのたねと なりいでし こがねのつるの あなうたてさよ*71 (赤良)
072.なまぐさき 風の吹くる やみのよに 光物すは 魚のこけかも*72 (京傳)
073.窓の戸の すきと信ぜぬ ろくろ首 ぬけ出るうそを たがつたへけん*73 (眞顔)
074.祭られて 位つきにし 犬辰 いたくも人を なやませやする*74 (酒ふね)
075.むさしのゝ のつぺらぼうは とらまへて はなしにさへも ならぬにげ水*75 (めし盛)
076.はまぐりの 柱やよせて たてぬらん 工手間をみるも あゝしんき樓*76 (東作)
077.年もまだ なかばにはてし 幽霊歟 腰より下の みえぬすがたは*77 (定麿)
078.物すごき 風ふく原の 古御所に 生たつ草の 惱房かな*78 (掻安)
079.色かへぬ 松にたぐへん 青鷺の さもものすごく 塀をみこすは*79 (京伝)
080.魂返す 藥の出る 國なれば なき人にあふ 越のたて山*80 (ひかる)
081.冬がれて 荒たる野べの はらつゝみ 是や狸の 化のかは音*81 (參和)
082.長くなり みじかくなりて みこまれし 兒を蛇とも しらで待らん*82 (眞顔)
083.幽霊も しでの山路の さかだちは 娑婆へひつくり かへりたしかや*83 (酒船)
084.さるほどに 尾はくちなはの 長ばなし ぬえも変化も 出るとらの時*84 (東作)
085.このあたり 所さだかに しらま弓 八幡の森へ いりてなければ*85 (參和)
086.ひと二つ 三つよもふけて 七つ八つ 九つわつと よぶ皿の数*86 (光)
087.風ふけば をのれと首を ふる椿 はさへまだらに みへておそろし*87 (定麿)
088.さげてゆく おかべの雨の ふりかへり にらむ眼は 丸盆のごと*88 (めし盛)
089.大かたの おそろしなどは 甘口に きえかへらする なめ女かな*89 (まがほ)
090.ぬいてかす そこきみわるき ひしやくさへ あぶなき玉か 舟のあやかし*90 (さんわ)
091.をさなしと 思ふまに身は 化にけり かしらの雪も われはしら兒*91 (東作)
092.どつと笑ふ 嵐の聲に くらま山 木のは天狗の みなちりにける*92 (掻安)
093.文福の 茶釜にばけの はへたるは 上手の手から 水のもりん寺*93 (酒ふね)
094.これやこの 臆病神の みたらしか いけにゑよりも いろの悗は*94 (眞顔)
095.物すごき 形をみする ばせをばも 霜にはきえて うせぬべらなり*95 (定麿)
096.身のたけも 高き利足の 座頭の坊 金のたゝりの おそろしき臺*96 (ひかる)
097.立よりて うてばひらりと 釿ぼろ あやしく肝を けづるもの哉*97 (眞顔)
098.つゝ井づゝ ゐづゝの中に あらかねの 土の羊や おひにけらしも*98 (赤良)
099.狸には あらぬふぐりの 廣がりて まつの夫婦は 化さうなとし*99 (酒ふね)
100.ばけ物の 置みやげかや 金だまを 千両つめし 箱根山ほど*100 (へや住)
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