歴史に定説なし。気になる古典・古事・古人・古文を総まとめ。


001.いときなき はつ元結に 長き世を 契るこゝろは 結びこめつや (桐壺帝)
002.かぎりとて 別るゝ道の 悲しきに いかまほしきは 命なりけり (桐壺更衣)
003.鈴虫の こゑのかぎりを つくしても 長き夜あかず ふる涙かな (靫負命婦)
004.いとゞしく 虫の音しげき 浅茅生に 露おきそふる 雲のうへ人 (更衣母)
005.結びつる 心も深き もとゆひに こきむらさきの 色しあせずば (引入太政大臣)
006.つれなさを 恨みもはてぬ 東雲に とりあへぬまで 驚かすらむ (光源氏君)
007.手を折て あひみし事を 数ふれば これ一つやは 君がうきふし (左馬頭)
008.うきふしを 心ひとつに 数へきて こや君が手を 別るべきをり (指食女)
009.琴の音も 月もえならぬ 宿ながら つれなき人を 引やとめける (琴音殿上人)
010.木枯に 吹あはすめる 笛なれば 引とゞむべき ことの葉もなき (木枯女)
011.さゝがにの 振舞しるき 夕暮に ひるま過せと いふがあやなさ (藤式部丞)
012.逢事の 夜をし隔てぬ 中ならは ひるまも何か まほゆからまし (蒜食女)
013.我やどの 藤の色こき たそがれに たづねやはこぬ 春の名残を (致仕太政大臣)
014.嘆きわび 空に乱るゝ わが魂を 結びとゞめよ したがひのつま (葵上)
015.あたらしき 年ともいはず ふる物は ふりぬる人の 涙なりけり (引入太政大臣北方)
016.秋はてゝ きりの籬に むすぼゝれ あるかなきかに うつる朝顔 (槿斎院)
017.うつせみの 羽におく露の こがくれて 忍び/\に ぬるゝ袖哉 (空蝉尼)
018.ほのめかす 風につけても 下荻の なかばは霜に 結ぼほれつゝ (軒端荻君)
019.山の端の 心もしらで ゆく月は うはの空にて かげやきえなん (夕顔上)
020.心あてに それかとぞ見る しら露の ひかりそへたる 夕顔の花 (夕顔宿女房)
021.袖濡る こひぢと且は 知ながら 下立つ田子の みづからぞうき (六条御息所)
022.朝霧の はれ間もまたぬ けしきにて 花に心を とめぬとぞ見る (中将君)
023.おひたゝん ありかもしらぬ 若草を おくらす露ぞ 消ん空なき (北山尼)
024.初草の おひゆく先も 知らぬまに いかでか露の 消んとすらん (少納言乳母)
025.うどんげの 花まちえたる 心地して み山桜に めこそうつらね (北山僧都)
026.奥山の 松のとぼそを まれにあけて まだ見ぬ花の 顔を見る哉 (何某寺聖人)
027.くもりなき 池の鏡に 万代を すむべきかげぞ しるく見えける (紫上)
028.ほとゝぎす 語らふ声は それなれど あなおぼつかな 梅雨の空 (中川女)
029.世語に 人や伝へん たぐひなく うき身を覚めぬ 夢になしても (薄雲女院)
030.鐘撞て とぢめん事は さすがにて 答へまうきぞ 且はあやなき (侍従)
031.から衣 君が心の つらければ たもとはかくぞ そぼちつゝのみ (末摘花姫君)
032.くれなゐの 一花衣 薄くとも ひたすらくたす 名をしたてずば (大輔命婦)
033.憂身世に やがて消なば 尋ねても 草の原をば とはじとや思ふ (朧月夜内侍督)
034.我やどの 花しなべての 色ならば 何かはさらに 君を待たまし (二条太政大臣)
035.国つ神 空にことわる 中ならば なほざり事を まづやたゞさん (秋好中宮)
036.蔭ひろみ たのみし松や 枯にけん 下葉ちりゆく 年のくれかな (式部卿宮)
037.としくれて 岩井の水も 氷とぢ 見し人かげの あせもゆくかな (王命婦)
038.人目なく あれたるやどは 橘の 花こそのきの つまとなりけれ (麗景殿女御)
039.月影の やどれる袖は せばくとも とめても見ばや あかぬ光を (花散里上)
040.心から とこ世をすてゝ なく雁を 雲のよそにも おもひける哉 (藤原惟光)
041.かきつらね 昔の事ぞ おもほゆる 雁はそのよの 友ならねども (源良清)
042.独寝は きみもしりぬや 徒然と 思ひあかしの うらさびしさを (明石入道)
043.あけぬ夜に やがて惑へる 心には いづれを夢と わきて語らん (明石上)
044.須磨の浦に 心をよせし 舟人の やがてくたせる 袖を見せばや (五節君)
045.伊勢の海の 深き心を たどらずて ふりにし跡と なみや立べき (平内侍)
046.雲の上に 思ひのぼれる 心には ちひろの底も はるかにぞ見る (大弐内侍)
047.諸ともに 都はいでき このたびは ひとり野中の 道にまどはん (明石尼)
048.世にわかれ いりなん道は おくるとも 同じ所を 君もたづねよ (朱雀院)
049.月のすむ 川のをちなる 里なれば 桂のかげは のどけかるらん (冷泉院)
050.浮雲に しばしまがひし 月影の すみはつる世ぞ 長閑かるべき (頭中将)
051.雲のうへの すみかを捨て 夜半の月 いづれの谷に 影隠しけん (右大弁)
052.雪間なき よし野の山を たづねても 心のかよふ 跡たえめやも (明石乳母)
053.霜こほり うたて結べる あけぐれの 空かきくらし ふる涙かな (夕霧左大臣)
054.色々に 身のうきほどの しらるゝは いかにそめける 中の衣ぞ (雲井雁上)
055.なく声も 聞えぬ虫の おもひだに 人のけつには 消ゆる物かは (蛍兵部卿宮)
056.来しかたも 行方もしらぬ 沖に出て 哀いづこに 君を恋ふらん (兵部君)
057.君にもし こゝろたがはゞ 松浦なる 鏡の神を かけてちかはん (大夫監)
058.年を経て 祈る心の たがひなば かゞみの神を つらしとや見ん (夕顔乳母)
059.声はせで 身をのみこがす 蛍こそ いふより増る おもひ成らん (玉葛内侍督)
060.二本の 杉のたちどを たづねずば ふる川のべに 君を見ましや (右近)
061.ひきわかれ 年はふれども 鶯の すだちし松の 根をわすれめや (明石中宮)
062.ゆくへなき 空の煙と なりぬとも 思ふあたりは たちも離れじ (柏木右衛門督)
063.恨めしや かすみの衣 たれきよと 春よりさきに 花のちりけん (紅梅右大臣)
064.数ならば いとひもせまし 長月に 命をかくる ほどぞはかなき (鬚黒右大臣)
065.忘れなんと 思ふも物の 悲しきを いか様にして いか様にせん (左兵衛督)
066.ひとり居て 焦るゝ胸の 苦しきに 思ひ余れる ほのほとそ見し (杢君)
067.今はとて やとかれぬとも なれきつる 槇の柱よ われを忘るな (槇柱上)
068.なれきとは 思ひいづとも 何により たちどまるべき 槇の柱ぞ (鬚黒大臣北方)
069.あさけれど 岩間の水は すみはてゝ 宿もる君や かげ離るべき (宿守中将君)
070.かざしても 且たどらるゝ 草の名は 桂を折りし 人や知るらん (藤内侍)
071.二葉より 名たゝる園の 菊なれば あさき色わく 露もなかりき (大輔乳母)
072.いづれをも かげとぞ頼む 二葉より 根ざしかはせる 松の末々 (宰相乳母)
073.いまさらに 色にないでそ 山ざくら およばぬ枝に 心かけきと (小侍従)
074.祝子が 木綿打まがひ おく霜は げにいちじるき 神のしるしか (中務君)
075.へだてなく 蓮のやどを ちぎりても 君が心や すまじとすらん (三条女三宮)
076.この春は 柳のめにぞ 玉はぬく さきちる花の ゆくへしらねば (一条御息所)
077.のぼりにし 峰の煙に 立まじり 思はぬかたに なびかずもがな (落葉宮)
078.君こふる 涙はきはも なきものを 今日をば何の 果といふらん (六条院中将宮)
079.千代の春 見るべき物と 祈り置て 我身ぞ雪と ともにふりぬる (仏名導師)
080.竹川に よをふかさじと 急ぎしも いかなるふしを 思ひ置まし (藤侍従)
081.山おろしに 堪ぬ木の葉の 露よりも あやなくもろき 我涙かな (薫大将)
082.竹川の 其よの事は 思ひいづや 忍ふばかりの ふしはなけれど (竹川女房)
083.打捨て つがひさりにし 水鳥の かりのこの世に 立おくれけん (優婆塞宮)
084.色かはる 袖をば露の やどりにて わが身ぞさらに おき処なき (総角姫君)
085.遠近の みぎはの浪は へだつとも なほふきかよへ 宇治の川風 (匂兵部卿宮)
086.あられふる 深山の里は 朝夕に ながむる空も かきくらしつゝ (宇治中姫君)
087.絶間のみ 世にはあやふき 宇治橋を 朽せぬ物と 猶たのめとや (浮舟姫君)
088.いつぞやも 花の盛に 一目見し このもとさへや 秋はさびしき (宰相中将)
089.いづこより 秋はゆきけん 山里の 紅葉のかげは 過うきものを (右衛門督)
090.先にたつ 涙の川に 身をなげば 人におくれぬ いのちならまし (弁尼)
091.在ふれば 嬉しき瀬にも 逢ぬるを 身をうぢ川に 投てましかば (二条院大輔君)
092.霜にあへず かれにし園の 菊なれど 残の色は あせずもある哉 (新帝)
093.打渡し 世にゆるしなき 関川を みなれそめけん 名こそ惜けれ (按察君)
094.世の常の いろともみえず 雲井まで たちのぼりける 藤浪の花 (按察大納言)
095.しめゆひし こ萩が上も まよはぬに いかなる露に 移る下葉ぞ (常陸北方)
096.宮城野の こ萩が本と しらませば 露も心を わかずぞあらまし (少将)
097.あはれ知る 心は人に 劣らねど 数ならぬ身に きえつゝぞふる (小宰相君)
098.花と云ば 名こそあだなれ 女郎花 なべての露に 乱れやはする (一品宮中将君)
099.あだし野の 風に靡くな 女郎花 われしめゆはん あと遠くとも (中将)
100.移しうゑて 思ひ乱れぬ 女郎花 うき世をそむく 草のいほりに (小野尼)
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